内部統制
基本的な考え方
住友重機械グループは、企業価値の向上およびステークホルダーの方々からの信頼向上のため、当社グループ全体の業務適正の確保を目的とした内部統制システムを構築しています。また当システムを適切に整備・運用するため、内部統制システム基本方針を制定しています。
住友重機械グループでは、コンプライアンスおよびリスク管理を内部統制システムの重要な柱として位置付け、取り組みを進めています。
- 内部統制システムの基本方針および運用状況
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取締役会において適宜検証を行い、運用状況の概要を当該年度の事業報告に記載しています。
推進体制
当社グループでは、当社グループの内部統制を推進するために、本社・製造所・支社、事業部および関係会社に内部統制組織(総括内部統制推進者と内部統制推進者)を構築し、社長の下で、内部統制本部がこれを統括しています。
また、社長を委員長とする「コンプライアンス委員会」 と 「リスク管理委員会」を設置し、コンプライアンスとリスク管理の推進を行っています。
コンプライアンス
住友重機械グループは役員・社員に法令・企業倫理の遵守を徹底させるとともに、常に高い良識を持って行動することを求めています。2020年3月に「コンプライアンス基本方針」を策定し、当社グループ全体へのコンプライアンス徹底に努めています。
- 1当社グループは、住友の事業精神のもと、経営理念に則り、持続的成長と企業価値の向上を図るために、コンプライアンスを推進する。
- 2すべての役員と従業員は、倫理規程に基づき、法令や社内規程・ルールを遵守すると共に、社会規範などの企業倫理を実践し、誠実でフェアに業務を遂行する。
- 3安全とコンプライアンスはすべてに優先する。
コンプライアンス委員会
役割・責務
法令等を遵守した経営の実践により社会からの信頼を高め、グループとしての企業価値の向上を図るコンプライアンス活動を推進するため、コンプライアンス委員会を設置しております。同委員会では、コンプライアンスに係る基本方針や問題が生じた場合の対応、推進計画等について審議し、取締役会に報告を行っています。
構成
当社グループの広い事業分野において、法的・倫理的な観点を踏まえた経営の在り方と、これに反する問題が生じた際の対応について多面的に審議するため、社長が議長を務め、内部統制担当役員や法務担当役員、技術担当役員等の関連する執行役員等、およびオブザーバーである常勤監査役で構成されています。
コンプライアンス浸透に向けた取り組み
規程
- 住友重機械倫理規程
- 住友の事業精神、経営理念に基づき、当社グループの役員・社員が守るべき基本的な行動・規範を「住友重機械倫理規程」として定めています。各コンプライアンス教育にて倫理規定について周知し、従業員へコンプライアンスの徹底を促しています。
- 1人間の尊重
全ての人々の人格と人権を尊重する。 - 2法令および規程の遵守
法令および社内外の規程やルールの精神を尊重し、これを遵守する。 - 3公正な競争・取引
公正で自由な競争に基づく事業活動を行い、不当な手段や不透明な行為による利益の追求は行わない。 - 4反社会的勢力との関係遮断
市民社会の秩序や安全に脅威を与える団体や個人に対しては毅然とした態度で立ち向かい、一切の関係を遮断する。 - 5環境保全
環境汚染の防止はもちろんのこと、省資源・省エネルギー、廃棄物削減、リサイクルを促進し、地球環境の保全に努める。 - 6公正な国際ビジネスと異文化の尊重
国際ビジネスにおいては、国際ルールや各国の法令の遵守はもとより、現地の文化や慣習を尊重する。
コンプライアンスツールの制作
- 倫理カード[PDF:841KB]
- 住友の事業精神、経営理念、倫理規程、倫理ホットライン通報窓口(社内・社外)を記載した名刺大の「倫理カード」を役員・社員に配布し、コンプライアンスの徹底を図っています。
- コンプライアンスマニュアル[PDF:891KB]
- 当社グループの役員・社員が守るべき各種ルールなどの具体的な行動指針を取りまとめています。
教育
- 階層別教育
- 当社グループの新入社員、新任の係長職、課長職、経営幹部および役員を対象に実施しています。
- 職場別教育
- コンプライアンスに関する基本的な理解を深めるために、職場単位で定期的にコンプライアンス教育を実施するとともに、コンプライアンスマニュアルについても継続的に読み合わせを実施。また、コンプライアンスに関する事例について各職場の社員が小グループに分かれて討議、発表することによって、社員自身が心から納得できるようなケースメソッド方式のコンプライアンス教育を実施しています。
- eラーニング
- 当社グループ社員に対して一斉に行う確認テスト方式の教育で、コンプライアンスに加え安全、ハラスメント、サステナビリティも教材として取り上げています。海外関係会社に対しても展開しており、中国全土では2016年から、ASEANの主要な関係会社では2018年から定期的に実施しています。
- 職種別教育
- 新しく営業部門に配属された社員に対する教育など、職種別にもコンプライアンス教育を実施しています。
調査・収集
- コンプライアンス浸透度調査
- 当社グループ社員のコンプライアンス理解度、職場における潜在的なリスクや問題点の有無などを確認するため、 日本および中国の関係会社の社員を含め、年に1回コンプライアンスの浸透度調査を実施しています。当年度だけでなく過年度の調査結果からの推移にも注目し、コンプライアンス向上の施策につなげています。
- コンプライアンス誓約書の収集
- コンプライアンスを意識しつつ事業活動を行うために、当社グループの全管理職および子会社の取締役からコンプライアンス誓約書を収集しています。
贈賄防止
近年、事業のさらなるグローバル展開に伴い、グループ全体の重要な課題として国際的な贈賄防止体制の強化に努めています。
当社グループは、役員および従業員が遵守すべき贈賄防止に関するルールを明確にし、贈賄を未然に防止することを目的に「贈賄防止基本方針」を制定しました。本方針は、当社グループ各社及び、全ての役員・従業員に適用されます。今後も贈賄防止に向けて、本方針の浸透をはじめ、国や地域の特性やリスクに応じた取り組みを進めます。
通報、相談窓口の設置
倫理ホットライン
当社グループの役員・従業員・退職後1年以内の元従業員が、法令や社内ルール違反行為、またはそのおそれのある事実を通報・相談できる内部通報制度として「住友重機械グループ倫理ホットライン」を開設しています。この住友重機械グループ倫理ホットラインは、公益通報者保護法に準拠した「住友重機械グループ倫理ホットライン規程」(2022年6月1日改訂)に基づき、匿名での通報を受け付けると共に、通報者に対する報復などの不利益な取扱いを禁止し、通報者を保護しています。
国内では2017年から、SHIグループ共通の窓口(社内通報窓口及び社外通報窓口)を設置し、より通報・相談しやすい仕組みとしています。2019年には、中国においても主要な関係会社共通の社外通報窓口を設置しました。
職場ハラスメント相談窓口
コンプライアンス全般に関する通報主体の倫理ホットラインとは異なり、職場のハラスメント問題専用の社外相談窓口を2020年に開設しました。
健全な職場環境を保つために、ハラスメントの問題で気になっている事や、職場の人間関係でのちょっとした悩みなど些細なことから相談できる窓口で匿名での相談が可能です。
「職場のハラスメント相談窓口」を利用された場合には、相談者の意向を踏まえて、問題点の整理・解決へのサポートを行います。
相談に際しては、相談者のプライバシー保護を約束します。また相談したことを理由として、不利益な扱いを受けることはありません。
リスク管理
基本的な考え方
事業規模の拡大やグローバル化の加速、社会・環境課題の複雑化などに伴い、ESG関連リスクを含むリスク管理の重要性が年々高まっています。このような認識の下、最適な経営判断を行い持続的な成長を実現するため、当社グループはリスク管理体制の強化やリスク管理プロセスの高度化に積極的に取り組んでいます。
- 1機会損失の低減
事業の目標達成に影響を及ぼすリスクテイクについては、適切な意思決定による機会損失の低減を図ります。
- 2リスクの顕在化の低減
事業の目標達成を阻害するリスクを未然に防止・予防し、リスクが顕在化した場合には、迅速かつ適切な対応によって、損害を最小限にとどめます。
リスク管理委員会
役割・責務
当社グループの事業遂行に際し直面、発生する可能性のあるリスクの識別、重要な影響を与えるリスクの適切な管理により、全社的、総合的なリスク管理を推進することを目的に、リスク管理委員会を設置しています。同委員会では、リスク管理方針の策定や重要リスクの選定、その対応に関する事項について審議し、取締役会に報告を行っています。
構成
広い事業分野を有する当社グループのリスクについて、事業運営面や技術面、事業管理面など総合的に審議するため、社長が委員長を務め、内部統制担当役員や財務担当役員、技術担当役員等の関連する執行役員等、およびオブザーバーである常勤監査役で構成されています。
リスク管理体制
取締役会のガバナンスの下で、リスク管理委員会を設置し、当社グループとして全社的、総合的なリスク管理を推進しています。
リスク管理委員会は、委員長である社長をはじめ、内部統制担当役員や財務担当役員、技術担当役員など本社執行役員、本社主管部門の本部長および室長で構成され、年4回開催しています。本委員会では、全社的な視点でリスクの特定、分析・評価、対策立案を行うとともに、各部門におけるリスク管理状況のモニタリングなどを行っています。また、その進捗状況やモニタリング結果については、内部統制本部より年2回取締役会に報告しています。また、監査役は、取締役会によるリスクの監督状況を独立した立場から監査しています。
リスク評価
当社グループではリスク管理委員会を設置し、経営を取り巻くあらゆるリスクの特定を行っています。
特定したリスクはリスク管理委員会の下に設置された「リスク評価小委員会」にて評価し、大分類として、リスクを事業遂行に伴い発生するおそれのある「事業リスク」と各部門において日常業務の遂行に伴い発生するおそれのある「業務リスク」の2つに分類します。
これらのリスクをさらに中分類と小分類に細分化し、71項目ある小分類のリスクの内、特に対応が必要なリスクについて「グループ重要リスク」と位置付け、リスク低減策の推進とフォローを実施しています。グループ重要リスクは当社グループの定義のもと、年度ごとに見直しています。
2024年度グループ重要リスク:気候変動リスク(脱炭素経済への移行リスク・異常気象の激甚化等物理的リスク)、地政学リスク、品質不正・データ改ざん/法令・規制違反リスク、情報セキュリティリスク、独禁法違反リスク、人権対応リスク
大分類 | 中分類 | |
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事業リスク | 経営レベルのリスク | グループ・ガバナンス, 中長期経営課題への対応(次世代研究・開発・気候変動への対応), 情報開示 |
事業レベルのリスク | 外部環境, 営業・サービス, 研究・開発・設計, 生産・調達・物流, 品質, 大物案件管理, 情報システム, BCP, 人材, 人権 |
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業務リスク | 職場環境, 競争・取引, 財務・経理, 業務遂行, 施設・財産・環境管理, 地域・社会との関係, 内部報告 |