循環流動層(CFB)ボイラ
固体燃料発電の未来をつなぐ
循環流動層(CFB=Circulating Fluidized Bed)ボイラは、バイオマスからごみ固形燃料(RDF)まで、幅広い性状の燃料を安定して燃焼させることができ、高効率かつクリーンなエネルギーを安定的に供給します。この燃料への多様性はCFB技術の最も得意とするところであり、地域のバイオマスや廃棄物を活用しながら脱化石燃料とCO2排出削減に貢献します。今後の来たる再生可能エネルギーの主力電源化社会においても、電力系統の安定化を実現するクリーンな調整電源としての役割を果たす発電設備です。
当社ではフィンランドと日本の設計・開発拠点に加え、エンジニアリングや営業、製造、サービス拠点としてアジアやヨーロッパを中心に展開しており、工場の自家発電設備から事業用火力発電設備に至る幅広いお客様へ、世界中で500缶以上(※)のCFBボイラを納入してきました。これまでの豊富な経験を基に、お客様とのプラント計画の立案から、設計、調達、建設、アフターサービスまで、トータルエンジニアリングサービスをお客様に提供します。
特長
- 1多燃料対応
CFBボイラは、高効率燃焼と燃料への高い柔軟性を兼ね備えた唯一のボイラ技術です。安価な燃料を最大限活用できるため、燃料の価格変動や入手困難な状況が発生した場合においても柔軟に対応できます。
多種多様な燃料をお客様のニーズにあった比率で活用することができ、バイオマスやRDFなどを単独で使用するだけでなく、これらを任意の混焼比率で設備を計画・運転することが可能です。 - 2高効率と高い信頼性
サイクロンで未燃分を捕集し火炉に戻すことで、燃焼が難しい燃料についても高い燃焼効率を達成しています。
また、伝熱管の腐食・摩耗対策や煙道への灰付着抑制対策を施すことで、すべての燃料に対して最高水準の高温高圧蒸気条件での運転を実現します。一例として、大型設備では257bar、603℃クラスの超々臨界圧ボイラの設計が可能です。
設備のお引渡し直後から高い稼働率(平均稼働率98%)を実現し、お客様の事業に貢献しています。 - 3低い環境負荷
CFBボイラは、炉内に石灰石を投入することで硫黄酸化物(SOx)の排出を抑えています。50ppm(6%O2換算)程度までであれば、従来の排煙脱硫装置(FGD)は不要です。窒素酸化物(NOx)についても低温・二段燃焼により50ppm(6%O2換算)程度まで低減できます。ばいじんは、集じん装置の設置により20 mg / m3(6%O2換算)以下まで低減されます。
- 排ガス処理装置が不要の炉内脱硫・脱硝技術
- 粗破砕された燃料と石灰石を混合燃焼させることで、火炉内における硫黄酸化物(SOx)濃度の制御が可能。また、低温・二段燃焼により、火炉内で窒素酸化物(NOx)濃度の制御が可能。
- 炉内全域での理想的な燃焼条件の実現
- 炉内の流動媒体(けい砂)と燃料を高速で流動化させることで火炉全体の均一流動状態を形成し、理想的な混合燃焼と熱伝達を実現。
- 循環燃焼で高い燃焼効率を達成
- 燃焼ガスと共に火炉を出た未燃分をサイクロンで捕集し、再び火炉に戻すことで炉内での滞留時間を長くし、低品位燃料でも高い燃焼効率を達成。
バイオマス燃料
廃棄物系燃料
- 4信頼できるゼロカーボン技術
CFBボイラは、高効率かつ、バイオマスや農業残渣などの低炭素燃料の活用により、他の火力発電技術よりもCO2の排出を低く抑えています。当社では、さらに進化させた次世代技術Flexi-Burn®テクノロジーを開発しました。この技術は、現在の空気燃焼運転に加え、排ガス中のCO2濃度を高める酸素富化燃焼を併用することでCO2を容易に回収でき、来たるCO2利用または貯蔵要求に対応できる技術です。実証済みの技術であり、新しいプラントは勿論、既存プラントでの改造にも対応でき、バイオマス燃料を利用する場合にはゼロカーボン(条件によってはカーボンネガティブ)が実現できます。
- 5品質
- 性能・設計品質
- 新居浜研究所(当社新居浜工場内)には実証試験設備を設置しており、お客様が実際に利用する実燃料を用いた各種試験・評価を行い、実機設計に反映することで性能・設計品質を確保しています。
- 製作品質
- ボイラの主要部位(耐圧部)は、自社工場や協力工場で製作しています。また、その他機器も信頼できるベンダーとの協力によりサプライチェーンを確立しており、製作・機器品質の確保に努めています
- 6専門スタッフによる安心のアフターサービス
当社技術を用いたCFBボイラは、国内外において500缶以上(※)の豊富な納入実績があります。これらの経験から得られた知見とノウハウに基づきお客様のボイラのメンテナンスを実施するとともに、改造やアップグレードのご提案など、幅広いサービスを提供します。
- ※本実績は、当社技術供与先での納入実績を含みます。
この製品に関する情報・
お問い合わせについて
製品およびアフターサービスに関するお電話でのお問い合わせ
エネルギー環境事業部
営業本部
フォームでのお問い合わせ
製品に関するお問合わせ
アフターサービスに関するお問い合わせ