「Nanoplane」シリーズに液晶・半導体製造装置向けを追加
2000年11月30日
住友重機械工業株式会社(社長 日納義郎)は、液晶・半導体装置向けに超精密位置決め装置を商品化し、「Nanoplane」シリーズに追加しましたのでお知らせします。
デバイスの微細化やスループットの向上に対応すべく半導体製造装置に搭載される位置決め装置は、これまで以上に高精度、高速化が求められています。
このたび、高速かつナノ(10億分の1)メートルのレベルの位置決め精度を可能にした超精密XYステージ「MODEL SLHUS-370」を商品化しました。
停止精度は業界最高水準の±10nm(ナノメートル)以下を達成し、次世代の半導体露光装置や検査装置で要求される位置決め精度を実現しました。また、最高速度は当社の既存モデルと比べ、2.5倍の秒速300mmと、さらに高速化しています。レーザ干渉計を採用するとともに、ステージのスキャニング(追従)性能を向上させる外乱オブザーバと、ヨーイングを抑えるアクティブ・ヨー・コントロールを組み合わせた制御機構を搭載しています。また、エアーベアリングとリニアモータ駆動による完全非接触駆動方式を採用しており、高速、高精度に加えてクリーン性、メンテナンスフリーを実現しました。
当社では、ボールネジを使った汎用ステージからリニアモータ駆動の超精密ステージまで対応しており、1軸ステージからXYZθなどの多軸ステージまでの多様なラインアップを備える精密位置決め装置メーカーとしてユーザーニーズに応えます。
なお、超精密位置決め装置「MODEL SLHUS-370」は、来週12月6日より幕張メッセで開催されるセミコン2000に出展します。
※「Nanoplane」は住友重機械の登録商標です。
1. 超精密XYステージ「MODEL SLHUS-370」の特長:
(1) レーザ干渉計の採用により停止精度±10nm以下を達成。
(2) 独自開発の高性能、低コストのリニアモータを採用。
(3) 制御機構に外乱オブザーバとアクテイブ・ヨー・コントロールを
採用(当社特許)。位置決め精度とスキャニング(追従)精度 を向上。
(4) X軸とY軸が同一平面上にある独自のH型ステージ構造の採用。
低重心化で運動精度を向上し、同時にコンパクト化を達成。
(5) リニアモータとエアーベアリングによる完全非接触駆動により、
クリーン性・メンテナンスフリーを実現。
2.主要仕様:
X軸、Y軸共通
(1)ストローク: 370mm
(2)スケール分解能: 0.6nm(レーザ干渉計)
(3)最高速度: 300mm/秒
(4)停止精度: ±10nm以下
(5)真直度(水平/垂直) 12nm/20nm(制御補正値)
3.価格:
約3000万円(仕様により異なります)