Web版図面管理システムの全社展開
2001年04月11日
住友重機械工業株式会社(社長 日納義郎)はWeb技術を利用した図面の管理システム、「SHI図面管理システム(略称:sCDM)」を開発しました。今月より全社に導入し、システムの運用を開始しました。
当社では経営の改革のためにITの活用を積極的に推進しています。その一環として、これまで事業部や製品ごとに運用してきたさまざまな管理システムを、全社規模で共通化し、経営のスピードアップと生産性の向上を進めます。
近年、インターネットをはじめとするITの進歩により、商品情報や技術資料のデジタル化が急速に進展しています。当社はこのたび標準量産品から受注生産品まで年間約200万枚作成されるすべての図面を電子化し、集中管理するシステムを構築しました。インターネットの閲覧ソフトであるWebブラウザを利用しているため、ネットワークに接続されたパソコンであればどこからでも、図面の登録や照会が可能です。例えば、海外の工事現場や遠く離れた営業所からでも、Webブラウザの画面を操作することで必要な図面を即座に閲覧し、電子データとして取寄せることができます。作業者を介したり、図庫や図面管理用の専用端末まで行って作業する必要はありません。また、図面の照会は登録とほぼ同時に可能です。
「sCDM」は図面に関する業務のスピードアップと効率化、作業品質の向上を目的として開発したものです。また、システムを全社で共通化しているので、メンテナンスが容易となり、運用コストも低減しています。このシステムの稼動により年間約2億円の経費を節減します。
当社ではこれまで5種類の異なった図面管理システムを導入していました。これらのシステムは利用する端末が制限されるという問題のほか、投資コストが大きく維持費も高いこと、システムの仕組みが複雑なためレスポンスが悪いこと、システムにCAD図面の電子承認機能がないこと、生産管理システムなどの他の業務システムとの連携が困難であることなど、さまざまな問題がありました。「sCDM」はこれらの問題を解決するために1999年4月より独自に開発を進めてきたものです。
今後は住友重機械のグループ企業にも展開し、グループ全体のIT化をすすめます。また、図面管理のパッケージソフトとしても販売を開始します。
1.「sCDM」の特長
(1) Web技術の利用により、システムへの多様なアクセスが可能
・社内の専用ネットワーク(LAN)からの利用
・工事現場や外出先からのダイアルアップによる利用
・海外からの国際ネットワーク経由による利用
・将来インターネットを経由しての利用も対応可能
(2) 他システムとの連携が容易
生産管理システム、PDM、EDI、機歴管理システムなど他のシステムとの連携が容易に実現できる。
(3) CAD図の電子承認の機能
(4) CAD図の電子承認の機能
CADデータから自動的にTiff(注)データを作成するので、図面の電子承認が可能となり、出図業務の効率化とスピードアップが図れる。
(5) CAD図面でのデータの管理が可能
図面はTiffデータにて保存・管理を行うが、CADで作図されたものについてはCADデータもあわせて保存・管理する。
(6) セキュリティの確保
システムへのアクセス、電子承認などはあらかじめ認証された者のみができる仕組みとなっている。
2.パッケージの販売について
標準価格: 3000万円/1システム
(標準システムの構築のみ。カスタマイズ費用は別途)
(注)Tiff:静止画像ファイル形式のひとつ。Tagged Image File Format の略。