ジャイロ誘導方式の無人搬送車システム「3Way AGF」販売開始
2001年04月18日
住友重機械工業株式会社(社長 日納義郎)は、このたび、フォークリフトタイプでフォーク部分に旋回機構を持たせたジャイロ誘導方式の無人搬送車システム「3Way AGF」の販売を開始しました。
フォークリフト付き無人搬送車であるAGF(Automated Guided Forklift)のフォーク部分に180度旋回する機能を持たせることで、正面と左右の3方向からの荷受け、荷下ろしが可能となりました。搬送車の車体を荷物の正面に向ける必要がなく、車体の旋回スペースが不要です。従来のフォークリフトと比べ、走行通路の幅を約2分の1程度まで狭くすることができ、縮小スペースを保管に使用した場合、倉庫の格納効率が向上します。
また、誘導方式として自律的に位置を検知できるジャイロ誘導方式を採用しています。台車に搭載したジャイロセンサーから得られる方位角データと走行距離データをもとに、リアルタイムに台車の位置情報を算出します。台車には地図情報を持たせており、この地図を参照することによって走行経路を求める仕組みです。床面には位置を補正するためのマグネットを間欠的に埋め込むだけでよく、誘導線を用いる方式に比べ、誘導線の埋設工事が必要ない分、倉庫を建設する際の工期短縮が図れます。将来のシステムの拡張やレイアウトの変更にも容易に対応ができます。また、レーザー誘導方式と比べても、荷物の積み上げによるレーザー光の遮断という心配がなく、既存の平倉庫への導入が容易です。
当社ではこれまで、フォークリフトタイプ、搬送台車タイプの無人搬送車システムを販売してきました。今回販売した「3Way AGF」を含め、すべてジャイロ誘導方式を採用しています。
当社では今後も、無人搬送車システムの販売を通じて、搬送作業の効率化に貢献していきます。
(主な特長)
1.3方向からの移載が可能
正面、左右の3方向からの荷受け、荷降ろしが可能です。移載時の車体の旋回スペースが必要ないため、格納効率の向上が可能です。
2.優れた施工性/拡張性/工期の短縮
・ 電磁誘導や磁気誘導のような誘導線や通信線の埋設が不要なため、床条件による制約が なく、工期の短縮が図れます。
・既存の物流設備、工場等への導入が容易であるとともに、レイアウトの変更に対しても、短期間に容易に対応が可能です。
3.高度な運行管理
無人搬送車とのリアルタイム通信と、ダイナミック制御(注)で多数台の配車、運行管理を効率よく行うことにより、従来システムより台数の削減が可能です。
(注)ダイナミック制御:
搬送車の位置や状態、走行経路の渋滞状況、搬送要求の発生状況をリアルタイムに監視し、状況に応じた最適な配車計画と走行経路の選択を実現する制御方式。
4.メンテナンス性
誘導線や通信線を必要としないため、地震等による断線の心配が有りません。
5.周囲状況/環境性
台車内部のジャイロセンサーで位置の検出をしているため、台車走行環境の変化への対応や鉄板上(連続で10m以内)の走行も可能としています。
(主要仕様)
最大積載重量 1トン
標準揚程 3m
最大荷姿 1.1m(長さ)×1.1m(幅)
(販売価格)
1,000万円~2,000万円/1台
(販売目標)
5システム/年間