次世代ネットワークをIP-VPNで再構築
2001年05月31日
住友重機械工業株式会社(社長 日納義郎)は、本社と工場や営業所など社内の各拠点を結ぶ情報ネットワークをIP-VPN(仮想企業ネットワーク)※1に全面更新しました。電話やFAXなどの音声網を通す技術であるVoIP(Voice over Internet Protocol)※2を新たに採用し、従来は別であったデータ網と音声網をIP-VPN上で統合・再構築して5月より運用を開始しています。大規模ネットワークをもつ国内企業では初めて内線と外線の両方をVoIP方式に全面的に切り替えました。
今回更新した社内ネットワークは、本社および支社を含む12のオフィス、9事業所が対象で、各拠点間のデータ交換のほか電話やFAXを合わせて約8000台をカバーするものです。TDM(時分割多重装置)※3を使った旧来型のネットワークをルーター※4中心のIP-VPNに全面的に再構築したことで、高速でかつ低コストの通信が可能となりました。また、IP-VPNに音声を通すことのできるVoIPの採用により社内中継交換機などの使用設備を大幅に減らすことができます。データの通信容量はこれまでの5倍に拡大させる一方、通信コストは従来の約30%を削減できる見込みです。
この他、ネットワークにおける機器構成やトポロジ※5がシンプルになったことで、災害に強いことはもちろん、関係会社や協力会社など、新たなグループ網を構築する上でも、接続拠点や通信データの増加に柔軟に対応ができるようになりました。
新しいネットワークには、基幹網として日本テレコムの提供する次世代ネットワークSOLTERIA※6を採用し、ネットワークインテグレータのNECと3社共同で各種の試験・製品開発を行いながら構築しました。
今後、当社ではグループ各社へのIP-VPNの拡張を順次展開していく予定です。
ネットワーク基盤機能に加えEDIサービスやECサービスなどのネットワークの共有サービス機能を高めて、グループ経営に最適なネットワークを構築し、グループ全体の競争力の強化に努めていきます。さらにはネットワークの移行を計画している企業に対するコンサルビジネスなど外売事業にも積極的に参入していきます。
【ご参考】
※1 IP-VPN(仮想企業ネットワーク)
IP(Internet Protocol)による仮想の専用回線。専用回線のように利用できる高速なIP仮想閉域網。
※2 VoIP(Voice over Internet Protocol)
IPネットワーク上に音声やFAXを通す技術
※3 TDM(時分割多重装置)
ひとつの回線で複数のデータを送信する装置。データ毎に一定時間に切り分けて送信する。
※4 ルーター
ネットワーク間を結ぶための接続機器。
※5 トポロジ
ネットワークの接続形態。
※6 SOLTERIA
日本テレコム株式会社による次世代IPネットワークサービス。