低温ポリシリコンTFT液晶量産用レーザアニーリング装置の納入
2002年07月01日
住友重機械工業株式会社(社長 日納義郎)は国内大手液晶メーカへの量産ライン用レーザアニーリング装置を3台納入しました。
近年、アモルファスシリコンTFT液晶に比べて鮮明で高速の画像表示が可能な低温ポリシリコンTFT液晶やCGS液晶が、携帯電話、デジタルカメラ、ノートパソコン、PDA(携帯情報端末)などのモバイル用ディスプレイとして本格的に採用され始めています。
レーザアニーリング装置は低温ポリシリコンTFT液晶や有機EL用TFT基板などの製造プロセスで使われ、高性能ディスプレイの性能を左右するキーとなる装置です。現在装置は研究開発の段階を脱し、量産ラインへ本格的に導入が進んでいます。
当社は、1996年に初めて研究開発用途のレーザアニーリング装置を納入しています。その後開発を進め、1999年には最大平均出力200Wの高出力エキシマレーザ発振器を国産化し、量産ライン用装置の販売を開始しました。
今回納入した装置は、レーザ発振器とプロセスチャンバー(処理室)をそれぞれ2台搭載したモデルで、生産性を当社従来機の1.5倍に高めました。現在業界最高レベルのスループットを誇ります。
当社はこの分野では、レーザ発振器や光学装置はもちろん、精密ステージ、加工ステーションなど重要なコンポーネントを全て国産化している唯一の国内メーカとしてお客様の信頼を得ています。この強みを活かして、迅速なメンテナンス、サービスを行うとともに、さらに生産性の高い次世代機の開発を加速させています。また、装置の供給体制についてもレーザ関連商品の新工場(神奈川県横須賀市)が今秋に竣工予定であり、今後の生産増加にも対応していきます。
【装置仕様】
装置型式 : ELA7600TW
対応基板サイズ : 620mm×750mm
主要システム構成 : レーザ発振器(240W×2台)、光学系、ランスファーロボット
【特 徴】
レーザ発振器、プロセスチャンバーを各2台搭載するツイン方式を採用。独立した2つのプロセスチャンバーへガラス基板を交互に搬出入することで、スループット改善と装置ダウンタイムを低減し、業界で最高レベルの生産性を達成。