(株)サイネックス 半導体オートモールド装置SY-COMPを開発
2002年11月28日
株式会社サイネックス(住友重機械工業100%出資、本社:神奈川県横須賀市社長: 石原 守)は、半導体オートモールド装置「SY-COMP」を開発しましたのでお知らせいたします。
現在、半導体封止金型へ樹脂を注入する方法は、サイドゲートとよばれる通路から溶融しながら流し込むトランスファモールド方式が一般的です。
今回開発した「SY-COMP」は、正確に計量した樹脂を金型内のチップの下にあらかじめセットし、金型内で溶融しながら型締めする圧縮成形を実現しています。成形のたびにサイドゲートに発生する不要な樹脂がなく、樹脂使用効率(注1)でほぼ100%を達成しました。また、金型内での樹脂の流動が少ないため、樹脂厚さ50μmの超薄形のパッケージや長ワイヤー品(注2)に適応できる装置です。
サイネックスは、2002年6月に、芝浦メカトロニクスのモールド部門が新たに加わり、さらに事業拡大を図っています。今後「SY-COMP」を戦略機種群に加え、国内はもとより、東アジア、東南アジア地域へも拡販していきます。
サイネックスは12月4日から6日にかけて幕張メッセで開催される「セミコンジャパン 2002」に出展し、本機を展示する予定です。
【特 長】
(1)樹脂の使用効率の向上
一般的なトランスファモールド方式では樹脂使用効率が10~50%と低いものとなっていますが、圧縮成形方式により樹脂使用効率をほぼ100%まで向上させるという極めて高い樹脂効率を実現。環境にやさしい設備を提供いたします。
(2)樹脂流れの少ない成形
樹脂の金型内での流動が少ないため、長ワイヤー品でもワイヤーが流れることなく成形が可能です。また、チップ表面の狭い間隙へ樹脂を充填する際、チップ表面から樹脂を圧縮過程で徐々に充填していくプロセスであるため、超薄型のパッケージの成形が可能です。
【主な仕様】
成形取り数: 1枚/プレス
適用ワーク: (リードフレーム)(W)75mm/(L)200mm
プレス: (駆動方式)ACサーボモータ駆動 (プレス出力)50kN
サイズ/重量: W880×D970×H1700(ローダアンローダ含まず)/約700kgf
【主な用途】
LSI・ICなどの半導体や各種電子部品の熱硬化性樹脂による樹脂封止
【年間販売目標】
30台
(注1) 樹脂使用効率: 成形で使われる全樹脂量に対するパッケージとして使用される樹脂の割合。
(注2)長ワイヤー品: チップとリードフレームを結ぶワイヤー(金線)が長いもの。樹脂形成の際にワイヤーが影響を受けやすい。
お問合せ先: 株式会社サイネックス 営業部 TEL 0468-69-2468
(ご参考)
「SY-COMP」による圧縮成形のイメージ