大型・高精度位置決め装置「ガントリー移動型XYステージSLHG-1800」を発売
2003年03月18日
住友重機械工業株式会社(社長 日納 義郎)は液晶パネル、プラズマディスプレイパネルなどのフラットパネルディスプレイ(FPD)製造・検査装置用に、大型・高精度位置決め装置「ガントリー移動型XYステージSLHG-1800」の販売を開始しました。
現在、FPDを使った大型テレビの需要拡大に対応するため生産性向上が求められ、液晶ガラス基板の大型化が進んでいます。一般に第6世代と言われるガラス基板の大きさは1500mm×1800mmに達しています。大型化したガラス基板の製造・検査工程ではガラス基板を動かす従来の方式では高精度が得にくく、装置の設置面積も増大します。そのために、ガラス基板を固定し、装置の加工、検査部をガントリーに搭載する、設置面積の小さい位置決め装置が求められていました。
この要求に対応するため、当社は第6世代のガラス基板に対応した「ガントリー移動型XYステージSLHG-1800」を開発しました。
また、今後さらに生産性向上のため大型化が進むガラス基板(第7世代以降)に対応する機種の開発も行っています。
※「Nanoplane」は住友重機械の登録商標です。
【特長】
1. 設置面積(フットプリント)の省スペース化と軽量化
当社は基板固定方式としてガントリー移動型ステージを開発し、フットプリントをミニマム化しました。ガラス基板を動かす従来方式に比べ設置面積が4分の1となります。また、有限要素法による機構設計を行い、軽量化を実現しました。
2. 高推力リニアモータの採用
ガントリー移動型はガントリー部を動かし、移動部に製造・検査用の機器が搭載されるため高推力の駆動モータが必要になります。当社はステージのキーコンポーネンツとしてリニアモータを独自に開発しています。本装置用には新たにラインナップした高推力リニアモータを採用しました。これによりより、高速での安定した走行が可能となります。最大推力2300Nのリニアモータの採用が可能です。
3. 高精度を実現する自社開発制御技術
当社独自の制御技術(アクティブ・ヨー・コントロール、外乱オブザーバー)の組み合わせにより、高精度な位置決め、高精度な走りを実現しました。
【主な仕様】
1. 駆動・ガイド方式: 高推力リニアモータ、転がり案内
2. ストローク: 1520×1900mm
3. スケール分解能: 0.1μm
4. 繰り返し位置決め精度: ±1μm
5. 最高速度: 800mm/sec
6. フットプリント: 2300×2800mm
(注1) 「アクティブ・ヨー・コントロール」
ステージの進行方向に対して起こるヨーイングを左t搾右のモータ
推力により自動的に補正する当社独自の制御システム
(注2) 「外乱オブザーバー」
振動やケーブル負荷などによる外乱を読み取り、制御系で高速
処理して外乱をキャンセルする当社独自の制御システム