全電動2材射出成形機「SED-CI」シリーズを発売
2003年07月03日
住友重機械工業株式会社(社長 日納義郎)は、型締力1270キロニュートン(130トン)の全電動2材射出成形機「SE130D-CI」の販売を開始しました。昨年開発した型締力1960キロニュートン(200トン)の「SE200D-CI」とともに、「SED-CI」シリーズとして拡販していきます。
「SED-CI」シリーズは、当社の最新の全電動射出成形機SE-Dシリーズを2材射出成形機に発展させたモデルです。SE-Dシリーズと同じプラットフォームを採用することで、高速、高応答の射出性能を実現しました。2材機の性能を左右する金型反転機構については、短時間でスムーズな反転動作を正確に行う金型反転装置を開発し搭載しています。さらに金型を取り付ける反転盤をワイドにすることで、金型交換やメンナンス性を考慮した構造としています。これらの特長をもつ「SED-CI」シリーズは、薄肉、精密形状の成形に威力を発揮するだけでなく、成形サイクルを短縮し、お客様の生産性向上に寄与します。
2材成形は、2種類(または2色)の樹脂で構成する成形品を、1度の成形工程で製造する射出成形方法です。デザイン、触感、装飾を向上させる高付加価値を目的とした成形に適しています。また、シール性や密着性の高い成形品を、組み立て工程を経ることなく製造することができます。近年、2材成形品は、IT関連機器、自動車部品、医療機器から日用雑貨品まで様々な用途で需要が増えつつあります。当社は幅広い用途に本シリーズを販売していきます。
なお、標準本体価格は、SE130D-CI(型締力1270キロニュートン130トン)が2,500万円、SE200D-CI(型締力1960キロニュートン200トン)が3,400万円です。
【SED-CIシリーズの特長】
高速・高応答射出性能
SE-Dシリーズと同じダイレクトドライブ機構注1やセンタープレスプラテン構造注2を搭載することで、標準準仕様でアキュムレータ付き油圧機並みの最高毎秒300mmの射出速度を実現し、最高射出速度まで20ミリ秒の立ち上り応答性能を実現。
高精度・高速反転装置
反転盤駆動用にハイパワーなサーボモータを搭載するとともに、高剛性で加工精度の高いストッパを採用することで、高速、スムーズで、高精度の金型反転動作を実現。
ワイド型反転盤の採用
幅広の反転盤を採用し、金型交換やメンテナンスでの段取り性を向上。ワイド型反転盤、ノズルピッチ、エジェクタピッチ可変方式を採用し、既存金型へも容易に対応。
(*ノズルピッチ、エジェクタピッチ可変方式はSE200D-CIのみ採用。)
省エネルギー・省ユーティリティ・クリーン
全電動化により従来の油圧機比50~80%減の省エネ・省電動を達成。
冷却水量は油圧機比約1/20。電動射出成形機ではクラス最高の低騒音・低振動・クリーンを達成し、快適な作業環境を実現。
(注1)ダイレクトドライブ機構
サーボモータを含めた駆動機構全体を新設計とし、軽量化・コンパクト化して低イナーシャ化(慣性力の低減)を図りました。これにより、射出動作・型開閉動作・エジェクタ動作の高速・高応答を化実現し、より精密でハイサイクルな安定成形が可能になりました。
(注2)センタープレスプラテン
金型のセンター部を押し、金型面に均一な型締ができる新設計のプラテンです。型開閉スピードが速いトグル式機構と均一な型締めができる直圧機構の長所をあわせ持つ、面圧バランスに優れたトグル型締機構です。