お知らせ

新しい縦軸型ばっ気装置「スミレーターUD」を開発

2003年07月14日

住友重機械工業株式会社(社長 日納義郎)は、日本下水道事業団大阪支社北九州総合事務所と共同で小規模下水処理用の縦軸型ばっ気装置の新シリーズ「スミレーターUD」を開発しました。現在、本共同開発による縦軸型ばっ気装置を用いた実証試験を下水道処理施設において共同実施しています。

「スミレーターUD」は、1979年の発売以来800基を超える納入実績を持つ縦軸型ばっ気装置「スミレーター」の新シリーズです。インペラを回転軸ごと昇降させる機能を追加し、窒素除去を目的とする高度処理や低負荷運転時の対応をより容易にしたばっ気装置です。

小規模下水処理では、その規模に適した効率的で維持管理の容易な方式が求められています。「スミレーター」は、オキシデーションディッチと呼ばれる生物反応槽向けの縦軸型ばっ気装置です。水を攪拌するインペラの回転数を制御することで、BOD(生物化学的酸素要求量)や富栄養化の原因物質である窒素成分も効率的に除去できる下水処理装置です。また、「スミレーター」は、駆動部の減速機にインペラ軸が直結するシンプルな構造で、メンテナンスが必要な駆動部は全て水槽上にあるため、点検作業が容易に行えるという特長があります。

「スミレーターUD」は「スミレーター」の特長を継承し、インペラを回転軸ごと昇降させる機能を追加しました。この機能は当社の水処理と減速機の技術を組み合わせることにより実現したものです。インペラを昇降させることにより、水面でのばっ気攪拌運転と水中での無酸素攪拌運転を容易に行うことができます。そのため、窒素除去を目的とする高度処理において必要な好気状態・無酸素状態をより簡単に作り出すことができます。
 また、有機物量が少ない設備稼動直後の初期低負荷運転時に適した無酸素攪拌運転も、「スミレーターUD」ではインペラの水中撹拌運転により簡単に行うことができます。

「スミレーターUD」は7月22日から開催される下水道展に出展します。