お知らせ

超精密ディスク専用射出成形機「SD40E」を発売

2003年09月16日

住友重機械工業株式会社(社長 日納義郎)は、型締力390キロニュートン(40トン)の全電動・超精密ディスク専用射出成形機「SD40E」の販売を今月から開始しました。

近年、映画などの記録メディアとしてDVDの普及が進み、さらに高画質のデジタルハイビジョン放送の録画など、大量のデータが記録できる次世代ディスクも登場しつつあります。これら光ディスクの大容量化に伴い、ディスク上の記録トラックのピッチや、ピット(凹み)サイズの微細化が進んでおり、光ディスク用の射出成形機の市場においては、次世代ディスクに対応した超精密成形が求められています。当社では、この要求に応えるべく、DVD用として圧倒的な実績を誇る全電動・ディスク専用射出成形機「SD35E」のフルモデルチェンジを行いました。「SD40E」は、現在量産されているCD、MD、DVDなどの光ディスクはもちろん、Blu-ray DiscやAODなどの次世代ディスクに対応したモデルです。従来機のハイサイクル、成形安定性という特長を継承しながら、次世代ディスクで要求される超精密・高精度成形を達成しています。今回、金型・温調機・取出機を含めた周辺装置の高性能化も行い、「SD40E」専用の成形システムとして同時に発売します。

【主な特徴】
(1) ハイサイクル成形
従来機のダイレクトドライブ機構(注1)を進化させた第2世代・低イナーシャ・ダイレクトドライブ機構(注2)を搭載。射出動作・型締動作・カットパンチ動作(注3)の高速・高応答化を実現。DVD-VIDEO基板では、従来機(SD35E)の射出サイクル3.5秒に対し、3.0秒を達成。

(2) 超精密・高精度成形
型締トグル機構の最適化・高剛性・高精度化によって、次世代ディスクで要求される成型基板の光学特性・機械特性を確保するとともに、難易度の高い超高密度転写(トラックピッチ0.3μm)が可能。

(3) 操作性の向上
操作画面のワイド&タッチパネル方式の採用、品質管理の各種解析機能の充実、多様な成型波形表示等の最新のコントローラを採用し制御性と操作性を向上。

(4) 成形システム(MSS=モールディングサブシステム)の高性能化
ハイサイクル・超精密成型に対応した金型・取出機・金型温調器等の成形システムを「SD40E」専用に開発。

(注1) ダイレクトドライブ機構
駆動源のサーボモータを機構的に機械本体に組み込み、駆動用 ベルトを不要とした当社独自の構造です。
(注2)第2世代低イナーシャ・ダイレクトドライブ機構
サーボモータを含めた駆動機構全体を新設計とし、コンパクト化し て慣性力の低減を図りました。これにより、射出動作・型開閉動作・ エジェクタ動作の高速・高応答化を実現し、より精密でハイサイクル な安定成形が可能になりました。
(注3)ディスクのセンターホールを形成する動作。

超精密ディスク専用射出成形機「SD40E」