お知らせ

大型基板用レーザアニーリング装置を開発

2003年10月28日

住友重機械工業株式会社(社長 日納義郎)は、低温ポリシリコンTFT液晶の大画面化に対応するレーザアニーリング装置を開発しました。

低温ポリシリコンTFT液晶は、明るく鮮明で、低消費電力であることから、携帯電話、PDA、デジタルカメラ、ノートパソコンなどのディスプレイとして用途が急伸しています。レーザアニーリング装置は、この低温ポリシリコンTFT液晶の製造プロセスで使われる装置で、薄膜トランジスタ(TFT)を作るために成膜されたアモルファスシリコンにレーザを照射し、シリコンを結晶化させることで素子の電気特性を向上させるものです。

今回当社は、長いパルス幅、高いエネルギー安定性を持つ、フランスSOPRA(ソプラ)社の全く新しい方式のエキシマレーザ技術を採用し、さらに当社独自の光学系技術で、730mmの長尺のビームを照射できるレーザアニーリング装置を実現しました。
レーザビームを、業界最長、従来機2倍にまで長尺にすることで、第4世代のマザーガラス基板に対して、一回の走査で基板全面を照射することを可能としました。これは、小型、中型が主流のポリシリコンTFT液晶において、32インチクラスの大型テレビへの実現など、大画面化に貢献するものです。また、現行サイズのディスプレィを製造する場合でも、タクトが1.3倍以上と有利となるだけでなく、切り出す製品サイズの自由度が高くとれるというメリットがあります。
当社は昨年、低温ポリシリコン液晶、有機EL用量産型エキシマレーザについてSOPRA社と技術提携し、レーザアニーリング装置用の発振器の開発を進めてきました。今回、大出力、高いパルス安定性を持ったソプラタイプのレーザ発振器を国産化し、横須賀製造所に試作機を完成しました。
今後同装置での実用化テストを進め、2003年12月にはサンプリングを開始、2004年4月には販売を開始する予定です。