高負荷脱窒処理設備「MCS(マイクロキャリアスラッジ)システム」を販売
2005年03月02日
住友重機械工業株式会社(社長 日納 義郎)は、産業廃水中の窒素除去をより高効率で行うことのできる「MCS(マイクロキャリアスラッジ)システム」(注1)の販売をします。
閉鎖性海域や湖沼において、赤潮、青潮、アオコ等が発生する原因である富栄養化を防ぐため、窒素やリンの排水規制が年々厳しくなっています。
平成16年度が目標達成年度となっている第5次水質総量規制に続き、平成17年度以降は第6次水質総量規制が開始されることから、今後、高度な窒素除去の技術が求められることになります。
従来は、排水中の窒素除去に脱窒菌をそのまま使用していましたが、より効率的に処理するためにキャリア(担体)を使用する方法の研究が進んでいます。通常のキャリアは菌よりも大きなものですが、菌よりも小さなキャリアを使用することにより、さらに効率が良くなります。当社では他社に先駆けてこの方法を実用化しました。この結果、菌をそのまま使用する従来法よりもキャリアを使用することで処理能力が約10倍に向上することが確認できました。(特許出願中 特願平7-294076)
従来と同じ処理能力であれば、設備の大きさは約10分の1で済み、省スペース、低コストで設置ができます。また、既存設備の改造でも導入が可能で、設備の拡張をすることなく、処理能力を高めることができます。販売対象としては、半導体製造、電子機器製造、食品、染色、有機合成化学、製薬、ゼラチン製造、でんぷん製造、メッキ工業など幅広い適用分野があります。
(注1)
・マイクロキャリアスラッジを用いたこの技術(菌体凝集技術)は、住友化学(株)よりライセンスを受けています。
・MCS(マイクロキャリアスラッジ)システムは住友重機械工業(株)の登録商標です。
■MCSシステムの特徴
1,処理能力が従来より約10倍の高効率となる硝化負荷7 kg-N/m3/日、脱窒負荷5kg-N/m3/日
2,省スペース
3,既存設備の改造にも対応可能
■受注目標額
05年度:3億円、 2~3年で5億円/年
■マイクロキャリアスラッジとは
マイクロキャリアと菌体を凝集させたものです。
マイクロキャリアは、フライアッシュ(石炭焼却灰)で、担体候補の中から選別された優れたキャリアです。