PET検査用カセット式薬剤合成装置について医療機器の承認を取得
2005年07月14日
住友重機械工業株式会社(社長:日納 義郎)は、がん診断などに使用されるPET(ポジトロン断層撮影法)検査用の薬剤であるFDGを自動で合成する装置の医療機器承認を厚生労働省から6月に取得しました。今回の装置(=FDG合成装置「F200」)は、使い捨てカセットを放射性薬剤の合成ごとに交換する方式を採用し、このタイプでは国産製品で初めての承認となります。
薬剤合成装置には、専用容器式と使い捨てカセット式の2種類があります。当社では、専用容器式は、2002年に日本で初めて自社製FDG合成装置の医療機器承認を取得し、販売しています。使い捨てカセット式では2002年よりGEヘルスケア社製の装置(FDGマイクロラボ)を販売しています。
今回新しく承認された使い捨てカセット式のFDG合成装置「F200」はアルカリ加水分解法を採用し、従来の酸加水分解法に比べて合成時間を約4割短縮、合成収率、安定性を大幅に向上させました。
■特長
・使い捨てカセット方式の採用により、繰り返し合成が可能。
・従来の酸加水分解法による装置に比べ、薬剤合成時間を4割短縮(50分→29分)。
PET用放射性薬剤を製造するためには、サイクロトロン(陽子或いは重陽子を加速する装置)で短半減期の放射性同位元素(RI)を製造し、合成装置によって薬剤を製造するシステムが必要です。当社では、現在までに国内55施設にサイクロトロンを納入しており、シェア60%以上となっています。またサイクロトロン以外にもFDG合成装置や放射性薬剤投与器「M130」を製造・販売しており、検診や保険診療の需要の高いPET検査に必要な放射性薬剤製造の分野で市場ニーズに応える高品質なシステムを供給しています。
<F200の主仕様>
FDG合成 60%+/-5%(EOS)
FDG合成時間 29分
準備時間 15分
放射化学的純度 95%以上
本体寸法 280×300×270 mm
カセット交換方式
販売価格:非公表
初年度販売目標:30台