インドからPET用サイクロトロンシステムを受注
2008年01月17日
住友重機械工業株式会社(社長 中村 吉伸)は、インドからがん診断などに使用されるPET(陽電子断層撮影法)検査用サイクロトロンシステムを受注しました。インド向けには日本企業として初めての受注となります。
今回受注したシステムは、サイクロトロンのほか、薬剤合成装置、薬剤自動品質管理装置など、PET検査などに必要となる薬剤を製造するための一連の装置で、稼動予定は2008年10月です。本システムはPET用サイクロトロンとしてはインドで最高性能となる20MeV(メガエレクトロンボルト)となり、薬剤の製造量において優位であると同時に新薬の研究開発など、幅広い用途で使用が可能です。さらにPET検査用以外のSPECT用薬剤も製造できる機能も搭載しています。また、薬剤自動品質管理装置はインドで初めて設置されるもので、これにより、作業従事者の放射線被爆が大幅に低減されます。
今回の発注元は現地資本の医療機器商社スタット・ダイアグノスティック・サービス社です。同社はPET薬剤の外部販売事業のため、グジャラート州アーメダバード市に新会社(グジャラート・アイソトープ社)を設立し、今回の設備を用いて薬剤を製造し、周辺の病院に供給する予定です。インドでは著しい経済成長に伴い、高度医療施設が増加しつつあります。今回の受注にあたり、当社の高い技術力と実績が評価されました。
当社は、PET用サイクロトロンで日本国内において約100台の受注実績を有するトップメーカーですが、2003年より海外市場への販売を開始し、これまでに中国、韓国、台湾において受注実績を積み重ねています。今後はインドにおける受注拡大の他、さらに欧米、中近東などグローバルな営業展開を図っていきます。