中国初の乾式活性炭法脱硫・脱硝設備を受注
2008年09月02日
住友重機械工業株式会社(社長 中村 吉伸)は、三菱商事株式会社を主契約者として中国の太原鋼鉄(集団)有限公司から焼結機主排気ガスの環境対策設備(乾式活性炭法脱硫・脱硝設備)を受注しました。
太原鋼鉄(集団)有限公司は、ステンレス鋼生産量で世界第一位の企業です。本設備の主目的は、硫黄酸化物(SOx)、窒素酸化物(NOx)、煤塵、ダイオキシン類の除去であり、これほど多種類の有害物質を除去する本格的な環境設備を導入するのは中国でも初めての試みとなります。完成は2010年春を予定しており、契約金額は約50億円です。
乾式活性炭法の最大の特長は、水を使わないこと、および多種類の有害物質を一つの設備で同時に除去できることです。他の方式では、脱硫設備(SOx除去)と脱硝設備(NOx除去)を各々設置する必要があります。脱硫設備には湿式脱硫法とSemi-Dry法があり、湿式法では大量の水が必要となります。またSemi-Dry法では、脱硫性能が低いことと、さらに排出ダストの後処理が必要になります。脱硝設備では触媒法が一般的ですが、排ガス温度を300℃以上に加熱する必要があり、膨大な運転コストが掛かります。当社は国内外に乾式活性炭方式の設備を8基納入しており(1基建設中)、その豊富な実績と技術力が評価されました。
中国では急速な経済発展を遂げる反面、環境への取り組みが遅れていました。北京オリンピックを契機に環境問題が世界中から注目されることとなり改善への取り組みが本格化しようとしています。また、水不足の地域においては水を極力使わない技術が必須条件となります。当社の乾式活性炭法は正に市場のニーズにマッチしていると考えられ、今後ますます環境改善対策設備の需要拡大が期待できます。