新型鍛造プレス 1号機を納入
2010年09月15日
住友重機械テクノフォート株式会社(本社:愛媛県新居浜市 社長:高瀬孔平 住友重機械工業100%出資)は、新型鍛造プレスであるFPRシリーズの第1号機を、広島県にある中央工業株式会社様に納入しました。
FPRは、シンプル・スリム・コンパクトを追求した次世代型熱間鍛造プレスです。従来機に比べ部品点数を30%削減したことにより、シンプルでスリムな構造を実現しました。従来の構造を見直すことにより、例えば4500tプレスでは全高を最大30%削減し(12.0m→8.4m)、保守性、作業性を向上させたほか、設備の省スペース化、設置費用の低減も図っています。コンパクトなサイズでありながら、従来と同等以上の性能を持ち、汎用性をも兼ね備えました。
また、高精度のXギブ、油圧バランサ、新型のシャットハイト調整機構を装備し、鍛造精度をいっそう高め、品質向上に貢献しています。(※1)
さらに、従来機のクラッチ・ブレーキは乾式エア作動式でしたが、FPRシリーズでは新しく開発した湿式コンビネーションタイプを採用し、大幅な騒音・振動低減を実現しました。(※2)
これらの成果が評価され、今年初めには、2009四国産業技術大賞優秀技術賞部門の優秀賞を受賞しています。これからも市場から要求される鍛造品質向上、環境配慮、作業性改善にお応えできる商品を開発し、多くのお客様に愛されるように努力していきます。
【補足説明】
※1
ギブ:スライド(上金型を取り付けて往復運動をする部材)の案内板で、スライドの円滑な作動を保つために隙間を保持する部材。Xギブでは熱膨張の影響を受けにくいため、金型の位置精度を高めることができる。
シャットハイト:スライドストローク下限におけるスライド下面とベッド(下金型を取り付ける土台)上面との距離。
※2
クラッチ・ブレーキ:クラッチとは、モーターの動力をスライドへ伝達したり遮断したりする装置。ブレーキとは、スライドの運動を停止するための装置。湿式クラッチ・ブレーキは、乾式に比べて磨耗が非常に少なく、長寿命を実現でき、エア作動ではないため騒音を低減できる。