お知らせ

惑星分光観測衛星「ひさき」(SPRINT-A)に極端紫外線望遠鏡を搭載

2013年09月17日

2013年9月14日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発した惑星分光観測衛星「ひさき」(SPRINT-A)が、イプシロンロケットにより打ち上げられました。
当社は、本衛星の観測装置部分の製作に携わりました。

「ひさき」は、地球を回る人工衛星軌道から、金星や火星、木星などを遠隔観測する世界で最初の惑星観測専用の宇宙望遠鏡です。惑星から届く極端紫外線(EUV)(※)を観測することで、太陽風との相互作用による大気流出機構やプラズマ環境の変化などの解明を目的としています。

当社が製作した観測装置では、極端紫外線の分光と検出器への集約を行うほか、高精度な衛星姿勢制御のための情報処理も行います。宇宙空間では、太陽光が当たる面とそうでない面での温度差が200℃以上にもなります。熱影響により躯体が変形するため、観測装置には緻密な位置制御と熱制御が必要となります。当社は従来から得意としている制御技術などにより、約1.6m離れた望遠鏡と検出器の位置精度を常に0.2㎜以内に収めています。

当社は、これまでも小惑星探査機「はやぶさ」のサンプル回収装置を手掛けるなど、宇宙開発に多くの技術貢献をしてきました。これからも、貢献を続けていくとともに、さらなる技術力の向上を目指します。


※極端紫外線:紫外線の中でも特に波長の短いもの。惑星からの大気の流出を観測するには最も適しているが、地上では大気に吸収されるため、観測できなかった。

惑星観測中のひさき衛星(CG)(JAXA提供)
惑星観測中のひさき衛星(CG)(JAXA提供)