お知らせ
惑星分光観測衛星「ひさき」、惑星の初観測に成功し定常観測運用を開始しました
2013年11月28日
2013年9月、宇宙航空研究開発機構(JAXA)のイプシロンロケット試験機により打ち上げられた惑星分光観測衛星「ひさき」(SPRINT-A)が初観測データの取得に成功しました。当社は、本衛星の極端紫外線分光装置(※1)、視野ガイドカメラ(※2)などの観測装置部分の開発・製作に携わりました。
11月19日に極端紫外線分光装置による木星および金星の分光観測が行われ、その結果、本装置が正常に機能し、科学観測に供することができることを確認しました。また、これに先立ち、視野ガイドカメラの機能確認を行い、対象天体を高精度に追尾する機能の正常動作も確認できました。これにより、「ひさき」は初期の軌道上機能確認を終了し、定常観測運用を開始する予定です。
JAXAでは、「ひさき」が世界で初めて極端紫外線で惑星を長期間にわたり観測し、惑星の環境に関する新たな知見を得ることにより、人類の知の増大に貢献することが期待されるとコメントしています。
当社は、これまでも小惑星探査機「はやぶさ」のサンプル回収機構を手掛けるなど、宇宙開発に多くの技術貢献をしてきました。これからも、貢献を続けていくとともに、さらなる技術力の向上を目指します。
参考:JAXAによるプレスリリース
http://www.jaxa.jp/press/2013/11/20131126_hisaki_j.html
- ※1極端紫外線:紫外線の中でも特に波長の短いもの。惑星からの大気の流出を観測するには最も適しているが、地上では大気に吸収されるため、観測できなかった。
- ※2視野ガイドカメラ:惑星を撮像し、その画像上の位置から衛星の姿勢系へフィードバックするためのカメラ。