ハイブリッドグラブ浚渫船が国土技術開発賞を受賞
2014年08月20日
住友重機械搬送システム株式会社(本社:東京都品川区 社長:横田 克英 住友重機械工業100%出資)は、寄神建設株式会社(本社:兵庫県神戸市 社長:寄神 茂之)と共同で、ハイブリッド機能および全自動運転システムを装備するグラブ浚渫船を開発しました。この度、本製品が第16回(平成26年度)国土技術開発賞の入賞を受賞いたしましたので、お知らせいたします。
本賞は、一般財団法人である国土技術研究センターおよび沿岸技術研究センターが主催するもので、建設分野における優れた新技術およびその開発に貢献した技術開発者を対象に実施されるものです。入賞は、最優秀賞、優秀賞に次ぐ賞となります。
本製品では、起重機作業および杭打ち作業能力を持つ既存の作業船に、バケット浚渫作業能力を加える改造を行いました。改造に際し、当社が開発したハイブリッド電源装置の技術と、GPS信号を用いた全自動運転システムを採用しました。ハイブリッド電源装置と全自動運転システムの採用による主な特長は、以下の通りです。
1.環境にやさしい
ハイブリッドシステムの採用によりエンジンがコンパクトになり、燃費の大幅な削減が可能となりました。また、全自動運転システムの採用により、作業精度が向上したため、海水の汚濁防止による周辺環境の保護にも役立っています。
2. 操業における高い信頼性
浚渫作業は、高速で正確な動作を安定的に供給することが要求されます。全自動運転システムでは、電動インバータ制御の採用や、水平掘削・荷振れ防止機能などの搭載により、高精度・高効率な作業が可能となりました。全自動運転システムによる確実な操業は、安全性確保の面からも非常に有用です。
■主要仕様
・バケット直巻き荷重 110t
・巻上開閉速度 55~80m/min
・旋回速度 1.2rpm
・自動運転機能 下記の各制御を織り込んだ自動運転機能を装備している。
掘削位置制御
定深度掘削
水平掘削
荷振れの防止
用語補足)グラブ浚渫船:グラブバケットによって海底から土砂などをつかみあげる作業船