お知らせ

放射性医薬品合成設備MPS200Aβ 薬事承認取得

2015年10月02日

アルツハイマー病の原因のひとつである脳内のアミロイドベータプラークをPET検査により可視化する放射性標識化合物「florbetapir(18F)注射液」を合成

住友重機械工業株式会社
日本イーライリリー株式会社



住友重機械工業株式会社(本社:東京都品川区、社長:別川俊介 以下、住友重機械)と 日本イーライリリー株式会社(本社:兵庫県神戸市、代表執行役社長:パトリック・ジョンソン 以下、日本イーライリリー)は、アルツハイマー型認知症が疑われる認知機能障害を有する患者の脳内アミロイドべータプラークを可視化する標識化合物「florbetapir(18F)注射液」を製造する、住友重機械製放射性医薬品合成設備MPS200Aβの医療機器製造販売承認を9月28日付で取得したことをお知らせいたします(医療機器製造販売承認番号:27700BZX00277000)。

アルツハイマー型認知症の原因のひとつとして、脳内にあるアミロイドベータというたんぱく質が凝集し、アミロイドベータプラークとして記憶や行動に関係する脳部位に蓄積することで、脳の神経細胞が減少し、その結果、脳の働きの低下や脳の萎縮が引き起こされ、認知機能が低下することが考えられています。「florbetapir(18F)注射液」は、脳内のアミロイドベータプラークをPET(陽電子放出断層撮影装置)検査により、画像化するために使用される放射性標識化合物です。2012年4月6日に米国で承認・発売されています。

住友重機械は、「florbetapir(18F)注射液」の原料となる放射性物質(ラジオアイソトープ)を作るサイクロトロンのメーカーとして国内トップシェアを有しており、PET検査に用いられる放射性医薬品合成装置も数多くの実績を有しています。今回脳内アミロイドベータプラークのPET検査に用いられる放射性医薬品合成装置の医療機器製造販売を国産品として初めて取得しました。住友重機械はMPS200Aβを用いて「florbetapir(18F)注射液」を製造する際に必要となる施設環境整備をはじめとする導入についてのエンジニアリング(サービス)も含めて11月1日より販売を開始いたします。

住友重機械と日本イーライリリーは「florbetapir(18F)注射液」を製造する放射性医薬品合成設備の技術・販売協力を通して、今後アルツハイマー型認知症の適切な診断に貢献できるよう企業努力を重ねてまいります。

※PET(陽電子放出断層撮影装置)検査
ポジトロン(陽電子)を放出する検査薬を注射し、その薬が体の中を移動して、脳や各臓器等の色々なところに集まる様子を、体の外から「PETカメラ」を使用し、画像化して検査する方法。この検査薬を検査の目的に合わせて選ぶことにより、脳や心臓、がんなどの診断ができます。

「florbetapir(18F)注射液」について


「florbetapir(18F)注射液」は、アルツハイマー型認知症が疑われる認知機能障害を有する患者の脳内アミロイドベータプラークの可視化のためのPET脳画像診断に用いる放射性標識化合物です。「florbetapir(18F)注射液」は他の診断評価方法と併用されるものです。 

住友重機械工業株式会社について


住友重機械は、一般産業機械から最先端の精密制御機械、コンポーネントまでを製造・販売する各種産業機械の総合メーカーです。医療機器分野においては、ホウ素中性子捕捉療法システム、陽子線がん治療装置、PET(陽電子放出断層撮影装置)検査用薬剤合成装置など加速器技術を利用した医療装置の提供により、医療技術の発展に貢献しています。
詳細はホームページをご覧ください。
http://www.shi.co.jp/

日本イーライリリー株式会社について


日本イーライリリー株式会社は、イーライリリー・アンド・カンパニーの子会社で、本年設立40周年を迎えます。人々がより長く、より健康で、充実した生活を実現できるよう革新的な医薬品の開発・製造・輸入・販売を通じて日本の医療に貢献しています。統合失調症、うつ、双極性障害、注意欠如・多動症(AD/HD)、がん(非小細胞肺がん、膵がん、胆道がん、悪性胸膜中皮腫、尿路上皮がん、乳がん、卵巣がん、悪性リンパ腫、胃がん)、糖尿病、成長障害、骨粗鬆症などの治療薬を提供しています。また、アルツハイマー型認知症、関節リウマチ、乾癬、高コレステロール血症などの診断薬・治療薬の開発を行っています。詳細はホームページをご覧ください。
http://www.lilly.co.jp

MPS200Aβ