FDG-PET検査に関し、大型血管炎の診断への適用が追加になりました
2019年04月02日
住友重機械工業株式会社(社長 下村真司)は、以前より製造販売しているPET(Positron Emission Tomography; 陽電子放出断層撮影法)検査用の18F-FDG合成装置(F300 ならびに F200)に関し、従来の使用目的に追加して「大型血管炎の診断における炎症部位の可視化に用いる」一部変更申請が承認され、同診療への適用が可能になった事をお知らせ致します。
FDG-PET検査は、従来「悪性腫瘍の診断におけるグルコース代謝異常の評価、心筋のグルコース代謝評価、てんかん発作焦点のグルコース代謝異常領域の確認」が効能として認められていましたが、平成30年度の診療報酬改訂で上記の大型血管炎の診断への適用が追加になりました。
この追加は、デリバリーによって供給される18F-FDG製剤の一部で適用になりましたが、診療施設内で行う院内製剤に関しては、使用する18F-FDG合成装置の使用目的にこの大型血管炎の診断に関する事項が明記されている必要があり※1、当社は製造販売する装置に関し医療機器製造販売承認事項一部変更の承認申請の手続きを行ってきましたが、下記のとおり承認されました。F300はこの適用拡大に対応した国内で最初の18F-FDG合成装置となります。
なお、この変更は医療機器そのものには変更が無く、合成した薬剤の効能の追加であるため、一部変更の承認前に納入した装置に対しても有効となります。
* FDG合成装置(F300):医療機器承認番号22200BZX00704000
当初承認 平成22年7月14日
今回の一変承認 平成30年9月6日
平成30年11月1日より保険診療が可能。
* FDG合成装置(F200):医療機器承認番号21700BZZ00273000
当初承認 平成17年6月23日
今回の一変承認 平成31年2月8日
平成31年4月1日より保険診療が可能。
以上、今現在では当社の製造販売するF300とF200は両方共に、大型血管炎の診断に対する保険診療が可能となりました。病変の局在や活動性の判断のための迅速・確実な方法として大いに活用される事が期待されます。当社は、引き続きPET検査手法の一層の普及と利便性・適用範囲の拡大に注力して参ります。
※1製造販売承認事項一部変更申請の経緯
平成30年度診療報酬改定で「18F-FDGを用いた断層撮影の適用」に追加された事項は、
「血管炎:高安動脈炎等の大型血管炎において、他の検査で病変の局在又は活動性の判断のつかない患者に使用する。」ですが、留保条件「高安動脈炎等の大型血管炎の診断に用いる18F-FDG製剤については、当該診断のために用いるものとして薬事承認を得ている18F-FDG製剤を用いた場合に限り算定する」があった為、院内製剤でも利用可能となる様にFDG合成装置の【使用目的又は効果】に当該診断を追加する一部変更申請を行ったものです。