製紙排水を利用したバイオマス燃料製造システムを納入~国内最大級の嫌気性処理システムとして稼働~
2021年10月15日
住友重機械エンバイロメント株式会社(本社:東京都品川区 社長:永井 貴徳 住友重機械工業100%出資)は、大手総合製紙メーカーである大王製紙株式会社(本社:愛媛県四国中央市 社長:若林 賴房)に、バイオマス燃料製造システムを納入しました。
大王製紙(株)三島工場のクラフトパルプ製造工程で発生する排水を嫌気性処理システム(商品名:バイオインパクト)により浄化し、処理の過程で発生するバイオガス(メタンガス)を重油代替燃料(約5,000KL/年相当)として石灰焼成キルンで使用することで、CO2排出量の削減(15,000t-CO2/年)に寄与します。
本設備は、2021年1月に稼働しました。
クラフトパルプ排水の処理は、多量の蒸気を用いるストリッピング設備にて臭気成分を除去した上で好気性処理設備にて高濃度の有機物を浄化するために、電力を含む多大なエネルギーを使用していました。嫌気性処理システムへの転換により、これらのエネルギーが低減となることから、CO2排出量削減や操業コスト低減、余剰汚泥抑制など、大きな経済的・社会的メリットを実現しています。
住友重機械エンバイロメントは、今後も嫌気性処理システムの提案を通じ、パルプ・製紙工場や化学工場の排水、及び濃厚廃液などのバイオマス資源の利活用を促進し、地球温暖化防止や循環型社会の形成に貢献してまいります。
【システム導入イメージ】
連続蒸解釜:木材チップを釜に入れ、蒸気で温度を上げ、蒸解薬品で蒸解を行い、クラフトパルプを連続的に取り出す設備
バキュームエバポレーター(真空蒸発缶):装置内を減圧して沸点を下げ、効率良く黒液を濃縮する装置
好気性処理:排水中の有機物を微生物に空気を吹き込みながら分解するもので、工場の排水処理に使用されている