パワー半導体のイオン照射事業の拠点拡大のお知らせ
2021年10月27日
住重アテックス株式会社(本社:愛媛県西条市、社長:秋山正博、住友重機械工業株式会社100%出資、以下:ATEX)はパワー半導体にイオン照射するための加速器を増設し、10月1日より稼働を開始したのでお知らせします。
1.新規加速器導入の目的
ATEXの放射線利用事業では主にパワー半導体の電気特性の向上を目的としたイオン照射サービスを行っております。世界の半導体市場規模はテレワークの普及やAI、5G・6Gなどの需要を背景に長期的な拡大が見込まれます。その中でもATEXのイオン照射サービスの主要マーケットであるパワー半導体の需要は電動車の普及を背景に急増しており、顧客であるパワー半導体メーカ各社から設備能力の増強を強く求められています。ATEXではこの市場要求に応え、サービスの安定的な供給を図る目的で新たに加速器を導入しました。今回は事業継続性の向上も目的とし、従来とは異なる拠点(岡山県倉敷市)に設置しました。
2.新規加速器の概要
(1)所在地 岡山県倉敷市玉島乙島8230(住友重機械工業岡山製造所内)
(2)投資総額 約14億円
(3)処理能力 20,000枚/月
(4)建築面積 1,081.5㎡
(5)日程 竣工:2021年 6月
稼働:2021年10月
3.ATEX概要
(1)事業概要 放射線利用事業、検査診断事業
(2)本社所在地 愛媛県西条市今在家1501番地
(3)創業 1979年10月
(4)資本金 2億円
(5)売上高 約40億円(2020年度)
(6)従業員数 175名(2021年3月末)
4.パワー半導体のイオン照射とは、
パワー半導体とは、電気自動車の駆動用モータやエアコンなどの大電力制御用回路に使用されるパワートランジスタやダイオードなどの総称です。ATEXではパワー半導体メーカから製造途中のパワー半導体ウエハを受け取ってイオン照射を行い、局所的に欠陥層やドナー層を生成することによって、これらパワー半導体の電気特性を向上させています。これにより、電気自動車やハイブリッドカー、あるいは電気鉄道車両や家電製品などのさらなる省エネ化を実現しており、CO2の排出削減に貢献しています。